システム開発の背景その1(未だ見つからない行方不明者がいる)
平成26年6月、厚生労働省より、外出先で自宅に戻れなくなり未だ行方不明になっている方々に関する初めての調査結果が発表されました。結果のポイントを挙げると次の通りです。
- 身元不明者の状況
平成26年5月末現在、
139市区町村で把握された身元不明者は346人 - 行方不明者の状況
平成25年度、855市区町村で把握された認知症の行方不明者のうち、
同年度中に発見された者の割合は約97%。
残り3%の方は、未だ発見されていません。
システム開発の背景その2(ニュースで頻繁にとりあげられる)
- 認知症の徘徊、悩む都市部 家族の見守り限界
徘徊(はいかい)する認知症の高齢者が行方不明になったり、事故に巻き込まれたりする事案が後を絶たない。家族の介護や見守りには限界がある。地域ぐるみの対応が欠かせないが、近所付き合いが希薄化する都市部の自治体は頭を悩ませている。「東京のような大都市の自治体は無理かもしれない・・・・」。日本経済新聞 2014年8月4日
- 認知症、地域で見守り 政府が総合戦略
政府は27日、首相官邸で認知症対策を協議する関係閣僚会議を開き、省庁横断で取り組む総合戦略を決めた。2025年に認知症の人は約700万人、65歳以上の高齢者5人に1人となると推計。当事者や家族に優しい地域づくりを柱とし、認知症の予防や診断、治療の体制整備などを盛り込んだ戦略に基づく施策を来年度から進める。 (中略)新戦略は「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」。厚生労働省が13年度から進める「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」に代わるもので、昨年11月の認知症の国際会議で安倍普三首相が策定を表明した。
基本的な方針として「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた環境で自分らしく暮らし続けられる社会の実現をめざす」と明記。本人や家族から生活のニーズを調査し、施策に反映する。
地域ぐるみの取り組みとして、認知症で行方不明になる人の発見や保護のため、警察や住民が一体となった見守り体制を全国で整える。
日本経済新聞 2015年1月27日
最近、新聞・TVに頻繁にとり上げられています。
システム開発の背景その3(行方不明に至る原因を調べたデータ)
以上の背景から、次の結論に至りました。
- 行方不明となるケースでは、在宅で介護を受けている患者さんであることが多い。
- いつの間にか行方不明となってしまっているため、探索開始が遅れるケースが多い。
- 外出先で自宅に戻れなくなった場合、最終的には警察で保護されることが多い。
- 警察の方に発見されたときに、手や足の爪にご本人の身元確認ができる爪Qシール®が貼ってあれば、これをスマホアプリで読むことにより、保護された方の連絡先である組織(地域包括支援センター、介護施設等)に連絡ができ、ご本人確認の問合せができる。
- 爪や背中に常時貼ってあるシールであれば、外出するときに忘れるといったこともなく、ご本人確認をする最後の手段になるのではないかと考えるに至りました。
- 当システムは、警察・消防等にもヒアリングさせて頂きましたが、最初に保護された時には、その方がお怪我をされていないか、身体検査をされるとのこと。その時に手・足の爪に、もしくは背中にQRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)が印刷された爪Qシール®が貼ってあれば、迅速に対応するためスマホアプリで読んでみるというご意見が多数でした。